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給湯器の交換工事をめぐる詐欺事件について

〇概要
2026年10月9日の報道によると、東京・新宿区のリフォーム会社の実質的なトップら8人が、詐欺などの疑いで警視庁に逮捕されました。

グループは給湯器の点検を装って住宅を訪問し、「一酸化炭素が基準値以上出ていて危険だ」などと説明して、必要のない交換工事を契約させていた疑いがあります。
また、警視庁は、2025年1月から2026年1月までの間に、グループが約8億5,000万円を不正に得たとみていると報じられています。

〇詐欺罪と刑罰
詐欺罪(刑法246条
法定刑は「10年以下の拘禁刑」のみで、罰金の選択肢はありません。

成立には、うその説明、だます意図、それを信じた相手が代金を払ったという関係の証明が必要です。
実際に給湯器を取り付けていても、材料費がかかっていても、詐欺の成立は否定されません。

〇組織的詐欺(組織的犯罪処罰法3条1項(組織的詐欺)
詐欺が団体の活動として、その罪を実行するための組織により行われたと認められると、加重規定が適用されます。
法定刑は「1年以上の有期拘禁刑」です。

〇複数の被害をまとめて処罰する場合(併合罪)
最も重い罪の上限の1.5倍まで科されうるとされています。詐欺罪のみなら最長15年です。
組織的詐欺が適用される場合は、さらに上限が上がりえます。

〇拘禁刑以外
没収・追徴:犯罪で得た財産を国が取り上げる措置です。被害者へ自動的に分配されるわけではありません。
罰金の併科:組織的詐欺では可能とされる規定があると思いますが、条文の項や金額の上限は確認できていません。

〇特定商取引法違反:訪問販売での不実の告知は処罰対象で、罰金刑もありえます。法人への罰金規定もあるとされています。
〇民事責任:被害者からの返金請求や損害賠償請求は、刑罰とは別に問題になります。

〇被害額と「8億5,000万円」の考え方
だまして受け取った代金は、基本的に詐欺の被害額の考え方になります。材料費や人件費を引いた利益だけが被害額、という決まりはありません。

ただし、約8億5,000万円がすべて「だました契約」の代金なのか、売上総額なのか、利益なのか、警視庁がどう計算したのかは、分かりません。
警視庁が「不正に得た」とみる額と、裁判で最終的に認定される額は別です。

掲載内容は一般的な情報提供であり、個別の法的助言ではありません。