家庭裁判所の逆送とは
逆送(ぎゃくそう)とは、ひとことで言うと「この少年は大人と同じように刑事裁判にかけるべきだ」と家庭裁判所が判断して、事件を検察官に戻すことです。
20歳未満の少年が罪を犯すと、事件はまず家庭裁判所に送られます。少年の事件は、全件が家庭裁判所に送られ、家庭裁判所が処分を決定します。家庭裁判所は、ふつうは罰を与えるのではなく、少年院に入れたり、保護観察で見守ったりして、立ち直らせることを目指します。
ただ、事件が重いときなどは別です。家庭裁判所が保護処分ではなく刑罰を科すべきと判断した場合に、逆送決定がされます。検察官から送られてきた事件を検察官に送り返すので、「逆に送る」で逆送と呼ばれています。
逆送されるとどうなるかというと、逆送された事件は、検察官によって裁判所に起訴され、裁判で有罪となれば刑罰が科されます。つまり、大人と同じ流れの裁判を受けることになります。
特に重い事件は、原則として逆送されることが決まっています。たとえば16歳以上の少年がわざと人を死なせた場合です。また、2022年4月からは18歳と19歳の扱いが厳しくなり、18歳・19歳のときに犯した死刑、無期又は短期(法定刑の下限)1年以上の懲役・禁錮に当たる罪の事件(現住建造物等放火罪、強制性交等罪、強盗罪など)も原則として逆送しなければならないとされました。
これは、成年年齢の引下げなどにより、責任ある立場となった18歳・19歳が重大な罪を犯した場合には、17歳以下の少年よりも広く刑事責任を負うべきだと考えられたからです。
さらに18歳と19歳は、18歳以上の少年(特定少年)のとき犯した事件について起訴された場合には、(実名報道の)禁止が解除されます。