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逮捕したりしなかったり、その基準は何か。

逮捕の必要性

〇通常逮捕
刑事訴訟法199条は、被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があるときに、裁判官があらかじめ発する逮捕状により逮捕できると定める。同条2項は、裁判官が逮捕状を発する場合について、明らかに逮捕の必要がないと認めるときは発しないものとしている。

逮捕の必要性の内容は、刑事訴訟規則143条の3により、被疑者が逃亡するおそれと、罪証を隠滅するおそれとされる。実際の判断では、罪を認めているか、示談の有無、職業、同居人の有無、罪の重さ、前科前歴などが考慮要素として挙げられている。

〇軽微な事件
199条1項ただし書は、罰金の上限が30万円以下(刑法、暴力行為等処罰に関する法律、経済関係罰則の整備に関する法律の罪以外の罪については、当分の間2万円以下)の罰金、拘留または科料にあたる罪について、被疑者が定まった住居を有しない場合、または正当な理由なく出頭の求めに応じない場合に限って、通常逮捕を認める。

〇緊急逮捕
210条は、死刑、無期、または長期3年以上の拘禁刑にあたる罪を犯したことを疑うに足りる十分な理由があり、かつ急速を要して裁判官の逮捕状を求めることができないときに限り、その理由を告げて被疑者を逮捕できるとする。直ちに逮捕状を求める手続をとらなければならず、逮捕状が発せられないときは直ちに釈放しなければならない。

〇現行犯逮捕
213条は、現行犯人は何人でも逮捕状なくして逮捕できると定めるのみで、逮捕の必要性については規定していない。

憲法33条が現行犯を令状主義の例外とする理由について、研究文献は、犯罪と犯人の結びつきが明白で誤認逮捕のおそれがないこと、およびその場で逮捕する必要性と緊急性が高いことを挙げる。また、弁護士ドットコムニュースの解説は、現行犯逮捕についても、条文上は明示されていないが逮捕の必要性が必要と考えるのが一般的であり、具体的には逃亡のおそれや証拠隠滅のおそれが求められるとする。

条文が必要性を絞っている場合は、軽微な事件についての217条である。罰金の上限が30万円以下(刑法などの罪以外の罪については、当分の間2万円以下)の罰金、拘留または科料にあたる罪の現行犯は、犯人の住居もしくは氏名が明らかでない場合、または犯人が逃亡するおそれがある場合に限り、逮捕できる。

〇逮捕後の手続における必要性

203条は、司法警察員が逮捕状により被疑者を逮捕したとき、留置の必要がないと思料するときは直ちに釈放し、必要があると思料するときは身体を拘束した時から48時間以内に書類および証拠物とともに検察官に送致する手続をとるものとする。

205条は、検察官が送致された被疑者を受け取ったとき、留置の必要がないと思料するときは直ちに釈放し、必要があると思料するときは受け取った時から24時間以内に裁判官へ勾留を請求するものとする。この時間制限は、被疑者が身体を拘束された時から72時間を超えることができない。

〇道路交通法違反事件
犯罪捜査規範219条は、交通法令違反事件の捜査にあたっては、犯罪事実を現認した場合であっても、逃亡その他の特別の事情がある場合のほかは、被疑者の逮捕を行わないようにしなければならないと定める。

〇警察庁は、国会の答弁書において、道路交通法違反事件における逮捕の必要性は、当該違反行為が反則行為であるか否かではなく、被疑者が逃亡するおそれ、罪証を隠滅するおそれ等の有無を基準に判断されるべきものとしている。

掲載内容は一般的な情報提供であり、個別の法的助言ではありません。