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懲役、禁固を廃止し、拘禁刑とした理由は何か。

2022年6月に成立し、2025年6月1日に施行された「刑法等の一部を改正する法律」(令和4年法律第67号)。

改正法の名称

正式名称は「刑法等の一部を改正する法律」で、2022年6月17日に公布されました。刑法のほか、刑事収容施設法など関連する法律をまとめて改正しています。

廃止の理由

第一に、懲役と禁錮の区別が実質的に意味を失っていました。懲役は刑務作業が義務で、禁錮は義務ではありませんでしたが、禁錮の受刑者はごく少数で、その多くが自ら希望して作業に就いていたため、区別する実益が小さくなっていました。

第二に、作業を義務づけるだけでは再犯防止に限界があるという認識がありました。作業だけでなく、教育や指導に時間を充てるほうが更生に資すると考えられるようになりました。

第三に、受刑者の状況が多様化していました。高齢者、障害のある人、依存症のある人、若年の受刑者が増え、一律に作業を課す方式では対応しにくくなっていました。

主な修正内容

刑の種類については、懲役と禁錮をなくして拘禁刑を新設しました。拘禁刑には無期と有期があり、有期は1か月以上20年以下です。罰金、拘留、科料は従来どおり残っています。

受刑者の処遇については、作業を義務づけるのをやめ、改善更生のために必要に応じて作業を行わせ、または指導を行うことができるとしました。

個々の罪の法定刑に書かれていた懲役や禁錮も、すべて拘禁刑に置き換えられました。
再度の執行猶予の対象は、1年以下の刑から2年以下の拘禁刑に広がりました。

刑事収容施設法では、受刑者の改善更生の意欲を高めることや、社会生活に適応する能力を育てることが、処遇の目的として位置づけられました。

同じ改正法に含まれる別の修正

侮辱罪の厳罰化も同じ改正法に含まれていました。これは2022年7月に先行して施行され、法定刑に拘禁刑と30万円以下の罰金が加わり、公訴時効も1年から3年に延びました。

補足

拘禁刑は刑の重さを軽くしたものではなく、自由を奪う刑罰である点は変わりません。

掲載内容は一般的な情報提供であり、個別の法的助言ではありません。