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砂糖税とは。

砂糖税は「値上げで飲む量を減らす」「メーカーに砂糖を減らさせる」「税収を得る」ことで、肥満や糖尿病を減らそうとする税金です。

〇砂糖税の目的は、大きく分けて3つあります。

1つ目は、砂糖入り飲料を飲む量を減らすことです。税金で値段を上げて買いにくくし、飲む量を減らします。WHO(世界保健機関)は、これが健康の改善につながるとしています。

2つ目は、飲料メーカーに砂糖を減らしてもらうことです。イギリスの砂糖税は、メーカーや輸入業者に、砂糖を減らす、ダイエット飲料を広める、砂糖の多い飲料の容量を小さくする、といった行動を促すために作られました。ドイツも、メーカーが糖分を減らして商品をより健康的にするきっかけにしたいとしています。

3つ目は、国の収入を増やすことです。ドイツの財務大臣は、砂糖税で国の予算の収入を得ることも目的にしており、税収は公的医療保険の財源にも充てられる予定です。イギリスでは導入当初、税収が小学校の体育活動や朝食クラブの財源になりました。

こうした目的の背景には、肥満や糖尿病などの病気の問題があります。イギリスは子どもの肥満と、糖尿病や心臓病などの関連する病気への対策としてこの税を導入しました。インドネシアも、国内の糖尿病の増加を受けて導入を目指しています。

WHO(世界保健機関)は、税務行政の能力が十分な国では糖分量に基づいて課税すべきだとしています。一方で、多くの国が果汁100%ジュースや加糖の茶・コーヒー飲料、乳飲料に課税していないこと、税の水準が全体的にかなり低いことも指摘しています。

〇導入している国

各国への広がりは、2014年のメキシコの導入がきっかけとされています。メキシコは同年1月1日から、1リットルあたり1ペソ(約8.6円)の課税を始めました。

イギリスは2018年4月に、糖分量に応じた2段階の課税を始めました。100ミリリットルあたり糖分5グラム以上8グラム未満の飲料には1リットルあたり0.18ポンド(約38円)、8グラム以上の飲料には0.24ポンド(約50円)がかかります。ポルトガルは4段階の税を採用しています。

2026年の動きとしては、メキシコで非糖質甘味料入り飲料への課税が加わり、スロベニアで新しい税が始まりました。ジャマイカでも加糖飲料税が成立し、2026年5月に施行されました。

湾岸諸国では、UAE(アラブ首長国連邦)とサウジアラビアが2026年1月から、従来の価格の50%という課税をやめて糖分量に応じた方式に切り替えました。オマーンは2020年10月から50%の物品税を課しています。カタールは2026年7月から糖分量に応じた税率を適用しています。クウェートは2026年初めの時点で課税していません。

〇今後導入する国

ドイツは、政府が法案を閣議で承認しており、連邦議会で可決されれば2027年7月1日に施行されます。税額は、糖分5グラム以上8グラム以下で1リットルあたり0.26ユーロ(約46円)、8グラムを超えると0.32ユーロ(約57円)です。

インドネシアは2027年度の国家予算法に課税を盛り込み、2027年後半の施行を目指しています。ただし、課税範囲や糖分の基準はまだ決まっていません。

イタリアは2027年1月1日に始める予定ですが、9回目の延期になる可能性が高いと報じられています。

〇導入した結果

メキシコでは、課税対象飲料の購入量が2014年に5.5%、2015年に9.7%減りました。減り方が最も大きかったのは、最も所得の低い世帯でした。一方で、2026年8月にメキシコ下院に出された提案文書は、現在の課税は失敗した設計だと主張しています。

イギリスでは、ほとんどのブランドが糖分を減らして課税を避けました。この税によって国民1人あたり年間約6600キロカロリーの摂取が減り、その8割はメーカーの糖分削減によるものと推計されています。導入後1年で、1日あたりの遊離糖の摂取量は子どもで4.8グラム、大人で10.9グラム減りました。

肥満への効果については、10〜11歳の女子の肥満が8%減ったという研究があります。ただし同じ年齢の男子と4〜5歳の子どもでは関連が見られず、研究者も示せたのは因果関係ではなく関連だと述べています。

〇財政への影響

イギリスでは、この税で年間約3億ポンド(約630億円)の税収があると報じられています。HMRC(英国歳入関税庁)の統計では、2025年4月から11月までの暫定税収は2億6000万ポンド(約546億円)でした。導入当初、税収は小学校の体育活動や朝食クラブなどの財源に充てられました。

メキシコでは、加糖飲料への特別税収入が2024年の403億5940万ペソ(約3471億円)から2025年の402億9910万ペソ(約3466億円)へとわずかに減りました。2026年には税額が1リットルあたり1.64ペソ(約14円)から3.08ペソ(約26円)に上がり、甘味料入り飲料にも1.50ペソ(約13円)が新たに課されました。2026年上半期には、この加糖飲料への特別税の収入が59%増えたと報じられています。

ドイツ政府は税収を2027年に約6億9000万ユーロ(約1226億円)、2028年に約9億2500万ユーロ(約1644億円)と見込んでいます。この税は公的医療保険の財源に充てられる予定です。

インドネシアは2027年に約1.7兆ルピア(約150億円)の税収を目標にしています。

イタリアでは、プラスチック税とあわせて砂糖税を延期したことで、約4億ユーロ(約711億円)の税収が先送りになりました。

〇砂糖税と消費税の両方がある国(ここでの消費税は、日本の消費税にあたる付加価値税のことです。)

イギリスでは、清涼飲料水に標準税率20%の付加価値税がかかり、そのうえで糖分が一定量を超える飲料には砂糖税も課されます。なお、牛乳や乳飲料は税率0%です。

メキシコは、2013年に1リットルあたり1ペソの課税が提案された際、清涼飲料メーカーの業界団体が、すでに付加価値税16%を払っていると述べたことが報じられています。現在も同じ税率かどうかは、今回の検索では確認できていません。

湾岸諸国では、サウジアラビア(15%)、UAE(アラブ首長国連邦、5%)、バーレーン(10%)、オマーン(5%)が付加価値税を導入しています。このうちサウジアラビア、UAE(アラブ首長国連邦)、オマーンは加糖飲料にも物品税を課しています。

ドイツは、導入予定の砂糖税の上にさらに付加価値税がかかる計画です。砂糖税の施行は2027年7月1日の予定で、連邦議会での可決が前提です。

〇砂糖税はあるが消費税はない国

カタールには2026年の時点で付加価値税も一般的な消費課税もありませんが、加糖飲料には物品税をかけています。

〇両方ない国

クウェートは砂糖税も付加価値税も導入していません。湾岸6か国のうち付加価値税がないのは、クウェートとカタールの2か国だけです。

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