警備業は「許可制」ではなく「認定制」
警備業法上、警備業を営もうとする者は、主たる営業所の所在地を管轄する都道府県公安委員会の認定を受けなければなりません。風俗営業などの「許可」とは制度上の位置づけが異なりますが、実務上は認定を受けなければ営業を開始できない点で許可制に近い運用がされています。
警備業法上の警備業務は、大きく次の4種類に区分されます。
- 1号業務:施設警備、巡回警備など、事務所やビルなどの盗難等を警戒し防止する業務
- 2号業務:雑踏警備、交通誘導警備など、人や車両の雑踏する場所・通行に関する事故の発生を警戒し防止する業務
- 3号業務:貴重品運搬警備など、運搬中の現金や貴金属などの盗難等を警戒し防止する業務
- 4号業務:身辺警備(ボディガード)など、人の生命・身体に対する危害の発生を警戒し防止する業務
認定の主な要件(欠格事由)
警備業法では、次のような場合に認定を受けられないと定めています。
- 成年被後見人・被保佐人、破産手続中で復権を得ない者
- 禁錮以上の刑や、警備業法・その他一定の罪により罰金刑に処せられ、刑の執行を終えてから一定期間を経過しない者
- 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律に規定する暴力団員、またはこれに該当しなくなった日から一定期間を経過しない者
- 心身の障害により警備業務を適正に行うことができない者として国家公安委員会規則で定めるもの
- 営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者(一定の例外を除く)
- 法人の場合、役員のうちに上記に該当する者があるとき
申請の流れ
- 申請書類の準備:警備業認定申請書のほか、定款・登記事項証明書(法人の場合)、役員の履歴書・誓約書・住民票、警備員指導教育責任者資格者証の写しなどを準備します。
- 主たる営業所を管轄する警察署への提出:申請書類は、主たる営業所の所在地を管轄する警察署の生活安全課(警備業担当)を経由して都道府県公安委員会に提出します。管轄警察署は警察署一覧・検索ページから確認できます。
- 審査:警備業法上、標準処理期間は申請受理から40日以内とされています。
- 認定証の交付:認定されると認定証が交付されます。認定証は有効期間があり、更新の手続きが必要です。
認定後に必要な体制整備
| 警備員指導教育責任者 | 警備業務の区分ごとに、営業所単位で選任が必要です。国家公安委員会の講習を修了し、資格者証の交付を受けた者から選任します。 |
|---|---|
| 服装・護身用具の届出 | 警備員に貸与する服装や護身用具(警棒等)についても、事前の届出が必要な場合があります。 |
| 警備員教育 | 新任教育・現任教育など、警備員に対して法定の教育を実施する義務があります。 |
| 各種帳簿の整備 | 警備員名簿、教育実施簿、苦情処理簿などの備え付けが義務付けられています。 |
ポイント:認定申請には、役員全員分の書類が必要になるなど準備に時間がかかりがちです。開業予定日から逆算し、余裕を持って管轄警察署に事前相談することをおすすめします。
無認定営業は罰則の対象:認定を受けずに警備業を営むことは警備業法違反です。個人事業から法人化する場合や、営業所を新設する場合にも、あらためて手続きが必要になることがあります。